人は、孤独になりたいときもある。「寂しいね」と言われてもその若者は、なんとも思わなかった。孤独だからこそ楽しいこともたくさんあることを知っていたから。むしろ、あえてそうしていたのかもしれない。一人の自由な時間。一人の居心地のいい居場所。一人の・・・・・生まれてきたときも、死ぬ時も結局一人なんだから。何も怖がることはないことを、若者は知っていたのである。
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孤独(ひとり)

たまには孤独になりたいときだってある。
あるときはは、一人で星を眺め。あるときは、自分の気にいった場所で一人考え。
それが楽しいのである。そんな楽しさの中に孤独あるのでは、・・・・

人間は自己をなくしてはいけない。
魂だけが残り、孤独が心を支配するから。
そうなれば心の支えとなる友情も愛情も失くなってしまう。
その魂までも失くなれば、孤独が心を支配し、無となり、
孤独のみが自分自身に乗り移る。

それは、本当の孤独ではない。ただ単に死に場所探すぬけがらとなる。
だから孤独を楽しまないと。本当の孤独は、ほらそこにあるよ。

孤独があるから人間で。人間だから孤独がある。
孤独だけども、魂があり、愛があり、友情がある。
そう思えば、生きていける。

1982年4月16日